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HIKI

DAORE

アレンビックのSSG(Short Scale Guitar)のコピーモデルFAG-170あるいはAG-170,通称フェルビック(Ferbic)と呼ばれていたギター,これまた滅多に見ることがないレアギターだ。

フェルナンデスのB.C.Rich及びAlembicのコピーモデルは1982年のカタログから頭文字のFが外されるが,正確な製造年を得るための情報がないので,このサイトでは便宜上Fのついたモデル名に統一して記載することにする。

カタログには1980年から1986年まで掲載されている。1980/81年はFAG-170として定価は20.1万円,はみ出た1000円の意味は不明である。1982〜86年のカタログでは機種名がAG-170に変更され,価格も17万円に下げられている。

このギターは北九州の某楽器店に眠っていたというデッドストック品,これ以上にコンディションの良いフェルビックはおそらくこの世に存在しない。非常に消えやすかったというヘッドロゴも無傷で残っている。

しかし,このギターの作りの良さには驚嘆した。よくこんなギターが20万円ほどでできたものだとただ感心するばかりだ。丁寧で手の込んだ作り,ブラス掘り出しの金属パーツ,特にブリッジは素晴らしい。3.90kg(弦を含む)。(2016.8.21更新)

手元にある1981年製Alembic Distillateと造りを比較してみることにした。本当は本物のSSGがあれば良かったのだが,SSGのビンテージは入手は困難。Distillateでも基本的な作りは同じだろうからまず問題はないだろう。2本を並べるとDistillateが全体的に茶味が強いが,これは使われた品とデッドストック品の違いなのかもしれない。実際Distillateにはウェザーチェックがボディー全体にあみだくじのように走っている。また指板の色の違いが一見して分かる。

ヘッド表面はフェルビックの木目がやや疎らだが,雰囲気は見事にコピーされている。全体的な作り込みが素晴らしいだけに,フェルビックのヘッドロゴの安っぽさが目立つ。アレンビックのペグはシャーラーだが,フェルビックのペグはよく分からない。

ヘッドストックの裏側だけを見ると,両者を区別することはできない。

指板はフェルビックはローズウッド,アレンビックはエボニー,フェルビックのポジションマークインレイはパーロイドセル,アレンビックのそれは白蝶貝,この辺りにちょいと差がつけられている。

ここまでコーピーするのかというほど見事なブラス掘り出しのブリッジ。オクターブ調整のボルトがプラスねじで,Alembicのマイナスねじと異なる。

Alembicのオクターブ調整ボルトはマイナスねじ。

ヘッドは先端の断端まで見事にコピーされている。フェルビックではヘッドエンドにシリアルナンバーが刻印されている。アレンビックは指板の最上位フレットに刻印されている。

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