
YAMAHA Guitars
私とヤマハのギターとの最初の接点は、エレキではなくフォークギターでした。当時、フォークギターといえばヤマハかモーリス。どちらも大手ならではの安心感があり、中学生や高校生が最初の一本を選ぶにはとても身近な存在でした。
その後、初めて手に入れたエレキギターはGrecoでした。当時のヤマハはSGシリーズを発売してまだ間もない頃で、中学生が親に買ってもらえる価格帯となるとSG-30やSG-35あたりになります。しかし、レスポールやストラトに憧れていた当時のロック少年の目には、これらのデザインはいささか異質に映りました。少なくとも私にとっては、候補に入る余地はほとんどありませんでした。
ところがヤマハは、その後ほどなくしてレスポールやストラトを意識したモデルも作るようになり、友人の中にもヤマハのエレキギターを選ぶ者が出てきました。その頃、私が使っていたGrecoのレスポールEG-380はボディ内部に空洞を持つ構造でした。一方、友人が持っていた同程度の価格帯のヤマハのレスポールタイプを弾かせてもらうと、こちらは妙に身の詰まった、芯のある音がしました。同じような値段なのにずいぶん違うものだと驚いた記憶が、今でも残っています。
それから長い年月、多くのメーカーの古いギターを見たり、弾いたり、所有したりしてきました。その中で改めて感じるのが、ヤマハ製ギターの長期的な品質の安定性です。もちろん個体差はありますが、ネックの反りやねじれが比較的少なく、やや幅広で厚みのあるネックからくる剛性感も強い。結果としてサスティーンにも恵まれ、何十年も経った個体でも「普通に弾ける」ものが実に多いように思います。また、レスポールタイプでもフレットエッジバインディングのような見栄えを重視した仕様をあえて採用しないなど、ヤマハには昔から装飾性より楽器としての実用性を優先する姿勢が見て取れます。こうした作り方は、ときに「工業製品的で味気ない」と評されることもあります。しかし40年、50年を経た中古ギターを数多く見てくると、その言葉はむしろ褒め言葉に近く聞こえてきます。楽器は、まずきちんと弾けること。その状態を長く保てること。ヤマハはそこをかなり真面目に考えてギターを作ってきたメーカーなのではないかと思います。
とはいえ、昔のヤマハなら何でも完璧というわけではありません。初期のエレキギターでは塗装の劣化による白濁が目立つものもありますし、材の乾燥収縮の影響と思われるボディの割れを生じた個体も何台か経験しました。しかし、少なくとも1980年前後以降のギターについては、驚くほど状態の安定したものが多いというのが私の印象です。
現在では、比較的安価なPacificaをプロミュージシャンが実際に使用することも珍しくありません。高価なモデルだけが良いのではなく、価格帯が下がっても楽器としての基本性能を落とさない。そうしたヤマハの姿勢は、他メーカーにも少なからず刺激を与えているのではないでしょうか。
振り返ってみれば、私は少年時代にヤマハのエレキギターを選びませんでした。むしろ最初は、あまり魅力を感じていなかったメーカーだったと言ってよいでしょう。それでも長くギターを見てきた結果、いつの間にかヤマハは、私にとって最も安心して手に取ることのできるメーカーのひとつになっていました。派手さや伝説性だけで語るギターではない。しかし、年月を経てなお楽器としてきちんと成立している。
そこに、ヤマハというメーカーの強さがあるように思います。












