
Greco/Fender Japan Guitars
Grecoは、神田商会が1960年代から展開した国産ギターブランドである。1970年代にはFenderやGibsonを範としたモデルを数多く送り出し、日本のエレクトリック・ギター市場を代表する存在のひとつとなった。
とりわけ1970年代後半のGrecoには、後年の「ヴィンテージ・コピー」とは少し異なる魅力がある。この時代、Grecoが追っていたのは1950年代のLes Paulではなく、まさに当時現役だったGibson Les Paulであった。パンケーキ構造のボディなど、現在ではNorlin期を象徴するものとして知られる仕様まで取り入れ、EGシリーズとして幅広く展開していた。
当時、Gibsonは多くのギター少年にとって容易に手の届く楽器ではなかった。そうした中でGrecoは、本家の雰囲気や構造を備えたLes Paulタイプを現実的な価格で提供し、国産ギターの存在感を急速に高めていった。その頂点のひとつがProject Seriesであり、当時のGrecoが持っていた技術と意欲を象徴するシリーズだった。
もうひとつ特筆すべきなのが、神田商会が1973年に開始した「オーダーメイドギター・システム」である。既製品を選ぶだけでなく、プレイヤー自身の希望に沿った一本を作るという考え方を早い時期から打ち出したことは、当時としては非常に先進的だった。Grecoは単に海外製ギターを模倣するブランドではなく、日本独自のギター文化を形作る役割も担っていたのである。
その後、1979年頃からSuper Real Seriesが登場し、Grecoは現行モデルを追う方向から、1950~60年代のヴィンテージ・ギターをより精密に再現する方向へと比重を移していく。日本製コピーの完成度は本家メーカーにも無視できない存在となり、1982年には神田商会が米国Fender、山野楽器とともにFender Japanの設立に参加した。GrecoのFender系モデルを製造していた富士弦が、今度は正式なFenderブランドを生産することになったのである。
GrecoからFender Japanへ至る流れは、日本のメーカーが海外の名器を研究しながら技術を磨き、やがて本家ブランドの製造を任されるまでになった時代を象徴している。
このページでは、その中でも特に1970年代のGrecoを中心に、当時の日本のギター少年たちが憧れた楽器と、その時代ならではのものづくりを紹介している。
























