
フェルナンデスのイーグルコピーモデルFEG-160。
1980年のカタログにはFEG160という機種名で登場する。1970年代末から1980年代初頭はまさに日本はコピー戦争の最中にあった。この時代のコピーモデルは総じてレベルが高く,またそこから独自に派生したオリジナルモデルも個性的でレベルが高い。この時代のフェルナンデスのギターでヘッド裏にシリアルナンバーが打刻されているものは最初の数字が製造年を表しているらしい。ここでは0が打刻されているから1980年製ということになろう。1982〜84年には機種名の頭文字”F”がが外された。推定ではあるがその時期からシリアルナンバーが打刻されなくなりウイング材がコアからモンキーポッドに変更されていった可能性がある。このギターのウイング材は紛れもなくコアだが,もう一つ紹介しているイーグルモデルは打刻シリアルはなく,材は茶色と焦げ茶のストライプ状で導管が太くモンキーポッドである。この時代のギター産業の経営事情等からより安価な材を採用するに至ったと推定できる。
バンド全盛時代,多種多様なギターの中であえてB.C.Richを選択するというのは特殊な人たちだった。その後ヘビメタ系ガジェットとして定着したB.C.Richだったが,このギターが販売されていた時代はそうではなかった。むしろ正統派ギタリストがそれを選択していた。
この目新しいギターに食指を示したのは,世界初のスルーネック構造や材の色調や濃淡によって形作られた芸術作品としての出来栄えに目を輝かせた人々,ギターに対する造詣が深い大人にギタリスト達だ。ギブソンの倍もするような価格のギターだったから経済的にも比較的余裕がある人たちだったろう。知る人ぞ知るマイナーだが高品質なギター,それが私の知るB.C.Rich像である。もちろんコピーモデルを求めた人たちも本家の製品を求めた人たちと同じような人種だっただろう。
塗装はポリウレタン,ポジションマークにはパーロイドセルが使用されている。お決まりのDiMarzio DualSoundハムバッカーとGrover 150C Imperialペグを装備。3.71kg(弦を含む)。(2025.10.25)
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