
1990年頃のフェルナンデス製ストラトFRT-120。トレモロユニットは下の写真にあるフェルナンデス製FRT-4が装着されていたが後述する理由でオリジナルFloyed Roseに換装している。
1980年代の終盤,量産メーカーによるネオストラトの生産が尻すぼみになる中,唯一最後まで気を吐いていたのがフェルナンデス。おそらくFloyd RoseのトレモロユニットをOEM生産していたのでこのようなギターを作って販売する必要に迫られていたのではなかろうか。
ピックアップはEvans。カナダ・ブリティッシュコロンビア州ビクトリアの Rod Evans によるハンドメイドブランドである。盲目のカナダ人ギタリスト故Jeff Healeyが使ったことで知られている。1980年代後半〜1990年代前半にかけて流通していて日本でフェルナンデスが扱っていた。このように既製ギターにマウントして販売していた他ピックアップやAssey単体での販売もしていた。ピックアップは以下に示すシングルコイルとハムバッカーの2種類を扱っていた。日本での流通量は極めて少なく滅多にお目にかかることはない。
シングルコイル(Eliminator 1 系)
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メーカー自身が “noiseless Strat pickups” として売っていたとされ、非常に静かなのが売り。
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モデル名の例:
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E1R(Rhythm)…標準出力。
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E1HR(Hot Rhythm)…やや高出力版。
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「ベンドしても音が痩せない」「とてもストラトらしい音でありながらノイズレス」といった説明が残っている。
構造は公式に細かく公開されていないが、当時の他社製ノイズレス同様、スタック型または二重コイル構造のハムキャンセル設計と考えられている。
ハムバッカー(Eliminator 2 系)
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Eliminator 2 Hot Lead などのモデルは、DC抵抗値が 30kΩ 前後と非常に高く、タップ時でも 15kΩ 程度という“超ホット”仕様。
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コイルタップすると、シングルコイル的なキャラクターで、しかもシリーズ1のシングルと同じくらい静かだと説明されています。
※DC抵抗値だけ見るとエクストリームですが、巻き数・線材・構造も絡むので、単純に「普通の30kのハム」とは違うと言われています。
弾いてみた感触はかなり特殊である。単音やパワーコードを弾くと滑らかな倍音にうっとりするほどだが,全部の弦を同時に鳴らすと高音側の音は埋もれてしまう。単音かパワーコードで弾くのが自分には合っていると感じた。
純正で搭載されているFRT-4トレモロユニットはとても使いにくい。ファインチューナーがどんぐりのような形をしていて,回すときにボディーと指が干渉してしまう。そういう理由でオリジナルFloyd Roseに換装した。
透過塗装なので,美しいアルダーの木目を見ることができる。漆黒の指板は黒檀製,フラットで弾きやすい。指板の6弦側の縁には夜光性のドットがポジションマークとして打たれている。指板のポジションマークは白蝶貝。ネックだけがラッカー塗装されている。当時の価格は12万円。3.51kg(弦を含む)。(2025.11.12更新)
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