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YAMAHA SL1000 1970年 代後半製
SL-1000は前期SLシリーズのセカンドグレードの機種。前期型か後期型の判別は容易であるが,正確な製造年の同定はできない。
フラッグシップのSL-1200との違いは,SL-1200がサンバースト仕上げで,トップがメイプル2ピースに対して,ブラック仕上げに3ピーストップという点である。ネックは両者ともマホガニーが使用されている。
前期シリーズは塗装が後期物と異なってラッカーのため,一見して異なる種類のギターに見える。古いギターならではの風格が前期SLシリーズにはある。
ヤマハは他社と異なり,たとえ上位機種でもオーバーフレット仕様を崩さない。これはヤマハが楽器としての実用性を強く意識している結果だろう。
ここでヤマハギター全般に観察される優れた点を挙げたい。
まずセットネックが安定している。反りや指板の波打ち,ねじれを生じているものが殆どない。これはヤマハがより厳しい基準で材や接着剤を選択していたからにほかならないだろう。
さらにチューナーが素晴らしい。40年を経過したチューナーとは思えないほどなめらかで安定した動きとペグによるトルクの違いのなさ,これは驚異的ともいえる。回していて気持ちがいいペグというのは滅多にないが,ヤマハのチューナーはそれに属する。
さらにパーツの耐候性の高さ。ピックアップカバーを除き,ブリッジやテールピースの耐候性が高く錆が生じにくい。さらにエスカッションの耐候性も高く,他社製が経年変化で割れてもヤマハのものが割れることはまずないといっていい。
確かに細工では他社に負けるかもしれないが,楽器屋としての信念をもった大企業の懐の深さが様々な部分に感じられる,ヤマハのギターにはそれがある。4.35kg(弦を含む)。(2016.8.28更新)
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