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1984年製TLS-50。
会社更生法が適用された年に東海楽器が製造したモデル。そのような状況下に作られたことを考えると,こういっては何だが,意外に正直なギターである。廉価モデルでありながらメイプルトップ2ピース,1ピースマホガニーバックという黄金仕様が守られていている。もちろんバックはアフリカンマホガニー(カヤ)ではある。
秋田市First Touchの佐藤さんによると,ヘッドの突板はメイプルだということ。当時は最廉価グレードでもきちんと木工品として手間暇かけて作られていたということだ。最近では歴史あるメーカーの製品でも突板には合成樹脂板が用いられているという。
フレットはオーバーバインディング仕様だが,そこにかかる手間とは裏腹に,こちらのほうがフレットをより有効に使えるしフレット交換も容易になるといった,より実用性の高い仕様である。
楽器の製作において,手間暇をかけることが機能の増強に繋がるとはかぎらない。楽器という道具でありながら人々の購入欲を刺激する木工品としての作品性もクリアせねばならないから止むをえないところだろう。板切れ一枚に木の棒を刺しただけでは誰も買ってはくれないのだから。
ピックアップはTokai 57’PAFモデル。低音の厚みが足りない感じがするのはボディーの材質のせいかもしれない。他のPUに換装すれば判明すると思うがこれはこういう個性のギターなんだと受け入れるのもいいと思う。4.13kg(弦を含む)。(2016.8.27更新)
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